航海

 


"航海"です。
発表されてから早1年。
すぐに手を付けそうで、付けていなかった楽曲です。


アルバム発売から1年。


アルバム"UNITY ROOTS&FAMILY,AWAY"の核。
ツアー"HIGHCOMMUNICATIONS2003"の核。
そして、たぶん、これからのGLAYの核。


バラードではなく。
ポップなメロディー。ハネるリズム。
そして、ギターのリフがとっても印象的。
更に、Aメロは今までにないくらいの低音ヴォイスです。


最初に聴いたのはGRCでした。
それはもう最小音(笑)、メンバーが喋ってる後ろでひそやかに鳴ってるっていう。
リフしか分からんという、でも、リフだけでも「これはいい!」って思ったな。


確か02年8月のFCライブが終わった頃に発表されたんじゃなかったっけ。
フォーラムも横アリも、歌詞は分からないまま聴いていた気がする。


北京ライブでも歌われましたです。
そして、ハイコミツアーでは、本編ラストという最重要位置で。
それだけ大事にしている曲なんだろうな、と。


琢:「ただ、今回のアルバムの『航海』にも書いたけど、『HEAVY GAUGE』を作った後にきたしけっぷりったらなくてさ」



02年秋に出た、castからです(TAKUROソロ)。
この後は「99年12月頃に"解散しよう"って話になったもんね」と続きます。


GLAYのメンバーを描いた詞。
GLAYの詞っていうか、彼らの詞…って感じがする。


でさ。
今まで、タクロウくんは「あなた+心情を吐露する自分」って詞を多く書いてきたけども。
この曲は、「あなた+客観的に見守る自分」っていう詞じゃないかなと。
ちょっと、自分でも意味分かってないんですけど(汗)。



航海。
海を航る。



GLAY船。
よくメンバーはインタビュー等で、"GLAY"を"一隻の船"に喩えてます。


これはテルさんについてのインタビューなのですが。



尚:「
やっぱり先頭に彼が立ってるから船は進むんだよね」

琢:「まぁ、やっぱり船の先頭に立って氷を削って走ってるだけはあるよね」【ふたつともpure soulパンフ】



船が戦艦になってしまいました。



尚:「GLAYっていう大きいか小さいかわかんない戦艦の前にTERUが立ってるんですよね。

   TERUが先陣を切ってる感なんかを感じて」【99年クレアシオン】



こちらはシビアです。



琢:「GLAYは長い航海に出たんだなと思ったんです。誰と一生やり続けたいと思ってるのか。

   GLAYの船に乗れる人は、やっぱり決まってるんですよ。併走する人はたくさんいるとは思うけど。

   長い航海の中で、すれちがって手を振り合う人もたくさんいるんだろうけど、

   やっぱり始めるときも終わるときも、『一緒に船に乗ってる人は、こいつだ!』
   
   と思った人だけで占めたいと思うし、そこに何百人もいることが幸せだとは思えない」【98年ポップビート】

 

誰と一生やり続けたいのか。
こういう一連のインタビューを読むと、「航海」という言葉に並々ならぬ思い入れがあるんだと思える。


そして、99年のエキスポ直前に発売された歌。
「ここではない、どこかへ」についても、メンバーは「俺らの歌だ」と話してました。

 

「計らずも そう 僕らは航海に出た ゆるぎない魂に 南向きの帆を立てろ」 【ここではない、どこかへ】

 

今思うと感慨深いですのう。
「UNITY〜」の曲順は、「航海」→「ゆるぎない者達」。


99年、エキスポ前。
「同じ場所に留まっていても意味がない、とにかく"ここではないどこか"へ行かなければ」と言ってた。


焦りとか。
強迫観念とか。
そういうものが、見え隠れしていた。


ゆったりと構えてるなんてとんでもない。
「もうここでの用は済んだんだ、だからまた別の場所へ行かなきゃならないんだ」とか。
「でも、俺たちはどこへ行くのか、どこへ向かおうとしてるのか、それすらも分からないんだ」とか。


とにかく、前に進まなければ。
どこに舵を取ればいいのかも分からないけれど、前に進まなければ。
当時は、モヤに包まれて視界不良なGLAY船だったのかな。



そして、エキスポ終了。
「確かに一時ものすごい虚無感が襲ってきたような気がした(TA)」99年秋。



「HEAVY GAUGE」の「サヴィルロウ」。
虚無感に押し潰されそうになりながら、渾身の想いで吐き出したであろう詞。

 

「いつの日か僕に全てを癒せるような歌を作る力をくれ…」 【サヴィルロウ】

 

あのアルバムで最後に綴られてる言葉。
もしかしたら、「すべてを癒せる歌」を作れなくなっていたかもしれないんだね。
下手すりゃ解散になっていたかもしれなかったわけで。最後のアルバムになるかもしれなかった。


がんばりました。
GLAY船は転覆しかかりましたが、何とか持ち堪えました。


今もなお。
見果てぬ地平を求めて、航海の真っ最中です。


アルバムREC期間という事で、2002年の春だったか。
とある朝、起きたら何かに呼ばれたように作り始めたとか。


そういう状態を、「神光臨」と呼ぶのですが、神様がたっくんに降りたんだろか。
何気なくギターを持って浮かんだメロディーを弾いていたら、熱がこもっていって没頭。


翌日には、てるさんを呼んで歌入れ。
タクロウさん的に、ここ数年で最も好きな曲だそうです。

 

琢:「GLAYにとってすごく大事な曲になるんじゃないかな…」

 

瞳を閉じる奥に浮かぶ人がいる
      かつて争い 今は凪 志は同じ

 

大海原の真ん中には一隻の船。
圧倒的な広さの大海原だけれど、船は降り注ぐ光に向かって確かに進んでる。


主人公が立っている場所は、まさに「現在」だと思います。


瞳を閉じれば。
まぶたの奥に思い浮かぶ人がいる。


意見が衝突し、争ったこともあった。


けど、今は。
あんなに激しかった風も止み、穏やかな波へと変わり。


同じ夢をもう一度、共に分かち合っている。


凪、か。
凪とは、無風状態の穏やかな海のこと。


志は同じ。
胸に秘めているもの、夢、願い。


争いを乗り越えて、今は同じ気持ちでいる。
確かめるように、何度も自分に言い聞かせるように。

 

光にむせぶ君はとても輝いて
     この後に訪れる時化をまだ知らない

 

ここから、主人公は過去を思い出しているような。
でも、今までの歌のような、心情吐露ガンガンな感じじゃない。


「全部乗り越えた」からこその、透徹感のような。
澱みのない、揺るぎ無い意志みたいなものを、ものすごく感じますです。


光にむせぶ君。


光にむせぶ…?
「むせぶ」って、ノドに何かを詰まらせてしまって呼吸が困難になったりする事で。
もしくは、激しく泣きじゃくる事だったりするのですが。


目も眩むような光。
目も眩むような光があたる場所。


あの日。
照りつける太陽。
幾重ものスポットライト。


…あの夏の日。


光を浴びながら、輝いていた君。
息が詰まるほどの光に包まれながら、君は輝いていた。


この後。
酷い時化が来るなんて。
あの時の僕らは、知る由もなかったんだ。



時化。
時化とは、凪の反対で、暴風雨が続き、海が荒れることを言います。


船は、嵐に遭遇して。
荒れる波濤に飲み込まれそうになり。


凪の時もあれば、時化の時もある。
心安らぐ日々があれば、波乱に満ちた日々もあった。

 

Sail away
   君の横にうずくまる夏が
       ホラ 幸せの顔で手を振った

 

"Sail away"は、"出航"。


前へ進め。
海は荒れ狂っていても、とにかく前へ進め。


君の横にうずくまる夏。
うずくまるって、夏がうずくまるってどういうことだろう。


あの夏の日が。
君の横で、「どこにも行きたくない」というふうに、うずくまってた。


けれど、今。
あの日は、あの夏の日は。
光に包まれた、あの輝いてた夏の日は。


ほら。
あの笑顔のままで。
幸せそうな顔で、君に向かって手を振ってるよ。


どんどん遠ざかっていく。
幸せの顔をした、確かに存在した過去達。


Sail away.


"立ち止まってちゃ、だめだ"。
"さあ、未来へ進んで"



君を励ますように、勇気付けるように。
幸せの顔で、いつまでも、手を振っていた。




「この場所にとどまる理由などないさ 輝きすらありのままの」 【ここではない、どこかへ】

「光にむせぶ君は とても輝いて」 【航海】




「ここではない、どこかへ」。
もしかすると、たくろうさんは予期していたのかも。思うところがあったのか。

 

keep on, You got to keep on walking

   言葉ではうまく言えない 悲しみを道連れに

 

進め。
そのまま、歩き続けてゆけ。

エンジンしかない。
船って、ブレーキがないんですよね。


止める時は、エンジンを逆噴射する。
逆噴射っていうか、なんていうか。


進むしかない。
進むしかないというのは、悲劇でもあるけれど。


言葉ではうまく言えない悲しみ。


言葉では言い表せないほどの悲しみ。
言葉で言い表そうとすると、安っぽくなってしまうような悲しみ。


道連れ。


言葉では表現できない悲しみさえも。
何もかも、すべて抱えて、すべて引き受けて進んでいこう。

 

「悲しみさえも抱き上げるように」 【Will Be King】

「言葉ではうまく言えない悲しみを道連れに」 【航海】

 

全部、連れていく。
悲しみだけを、置いてはいかない。

置いては、去らない。

 

「悲しみを忘れてしまうことで、人はきっと強くなれるから」 【Way of Difference】

 

というフレーズもありますが。
「航海」や、「Will Be King」に込められてる「悲しみ」は、忘れてはいけないものなんじゃないか。
決して忘れてはならないっていう種類の、「悲しみ」なんじゃないかと、思う。
むしろ、「忘れようとしても忘れられない」ってぐらいの。


自分を構成してるもの。
今ある自分を作ってくれたもの。
強くなる弱くなる関係なく、連れていかなくちゃいけないもの。


ひとつでも欠けてしまったら。
自分が自分でなくなってしまうもの。

 

もし俺が今ここで倒れたとしても 愛する者よ夜を往け
                      
   誰にも等しく時は流れるから

 

もしも、今、ここで俺が倒れても。
倒れて、ここから動けなくなってしまったとしても。


構わずに。
君は、夜を往け。

俺にも。
君にも。
時間は等しく流れているから。

 

もし俺が今ここで倒れたとしても 繋いだ手を振りほどいて君は進め

 

仮歌詞です。


HEAVY GAUGE TOUR、代々木公演ファイナル。
彼は、「ひとひらの自由」の前のMCで、こう言ってました。


琢:「今大切な人がいるなら、絶対に手を離してはダメだよ」


愛する者。
「大切な人の手は絶対に離すな」と言っていた彼が。
「俺が今ここで倒れても、君は繋いでた手を振りほどいて進んでいけ」って。


仮歌詞の方は、たくろうさんが歌って。
本歌詞(本テイク)では、てるさんが歌っていますが。


俺が倒れても、君は往け。


斃れても。
たくろうさんは、覚悟を決めたのか。


どんな想いで。


琢:「今死んでも、まったく悔いはないほどの十分な活動をさせてもらってる」


この気持ちに、全部集約されてると思うんです。
「永遠はあるのか、ないのか」っていう、たくろうさんが常に対峙している論とは別の未来を見据えてるっていうか。


確かに、「終わり」を見てる。
時間の流れの残酷さを身に染みて知り、そこから湧き出てきた想い…なのかな。


俺は、ここで倒れても、悔いはないけれど。
君は、どうか、俺と一緒に倒れようとはしないで欲しい。


暗闇の中。
繋いだ手をほどいて、生きて、いってくれ。


時間は、誰にも平等に与えられているのだから。
だから君は、君だけに与えられた時間を、「生きて」いってくれ。


「愛する者」への、この想い。
「終わり」を見続けている人だからこそ、の、気持ちなんじゃないか。

 

「誰も独りでは生きていけない弱さが愛しくて、その手を繋いだ」 【BE WITH YOU】

「手を繋いだら夜が明けるね」 【Christmas Ring】

 

今だけを見るなら。
今はとても幸せで。


この幸せがずっと続くと思っていた。
繋いだ手は、決して離さないと誓ってきたけれど。


その、大切な手を。
離さなければならない日が、いつか来るかもしれない。



照:「タクロウと、『解散したらどうする?』って飲みながら話したり。

   『たぶんおれ、GLAYがなくなっても歌っていくね』って。タクロウは『俺、やめるかも』って」 【ACT ONE】

 

琢:「この先解散する事があるかもしれないけど、それでも、誰か1人抜けても残り3人でやりたいな。
   
   GLAYって名前はなくなっても、別の名前でやってたいな。そういう気持ちが持てるメンバーなんだよね」 【ニッポン放送】

 

この言葉を目にした時。
「ああ、そういうことなのか」と、ただただ瞠目するしかなかったです。


"この場所"に留まることだけが、良しではない。


「ここで俺が倒れても、君は生きていってくれ」。
祈るような気持ちは、"覚悟したからこそ伝えられる言葉"へと昇華していった。

 

長過ぎた冬を越えた花の強さに いつでも君が重なって見えてた



照:「GLAYがなくなっても、俺は歌っていくよ」



そんなヴォーカリストは。
「航海」が収録されている、「UNITY ROOTS&FAMILY,AWAY」について。



照:「(タクロウは)これまで辛いことはたくさんあっただろうし、これからもたくさんあると思うんだけど、

   それを包んであげられるような、やさしいアルバムにしたいなと思いました」 【ACT ONE】



「UNITY〜」の「ALL STANDARD IS YOU」。
ニューヨークまで飛び、この楽曲に対してテルさんが出した答えは。



照:「悲しみや、憎しみとかも、全て優しさや愛情で包み込むような歌を歌いたい」 【情熱大陸】



辛いこと。悲しいこと。
てるさんも、同じくらい、いやそれ以上にあったと思う。


強くあろうとする。
自分もボロボロに傷付いていても、それでも自分以外の傷付いた者を、いたわろうとする。


相手の弱い部分を知り。
肯定するでも、否定するでもなく、ありのままを包み込むような。


誰よりも、強く。


照:「強い者が、弱い者を引っ張っていく。強い者は、そこに新たな強さを見出していく…この繰り返しでGLAYはやってきた」 【WOWOW】


もちろん、強さと裏腹の弱さも持ち合わせていて。
対人恐怖症に近い状態だったテルさんに、「もっと多くの人と出会いたいでしょ?」と声をかけて、
テルさんを、自ら閉ざした心の壁から引っ張り上げてくれたのは、他ならぬ、タクロウさんでした。

 

時として愛は無慈悲なもので 君を打ちのめす波に出逢っても Sail away

   独りきり月に照らされた者は 誰より生きる強さを胸に秘め

 

無慈悲な愛。
愛ですら、愛だからこそ、無慈悲なものへと形を変える。


君を打ちのめす波に出逢っても。
"君を打ちのめす波"とは、無慈悲なものへと姿を変えた"愛"だと。


優しい愛じゃなくて。
君を打ちのめすような、君を飲み込んでしまうような、愛。


たぶん、もうそれは"愛"とは呼べないものなんだろうけれども。


"愛"って、何だろうね。
慈悲っていうのは、かなしみ、いつくしむ心のこと。
大切に想うこころ、分かち合おうとするこころのことを、"慈悲"と呼ぶ。


航海の途中。
荒ぶる波が、君を飲み込もうと牙を剥く日もあるだろう。
打ちのめされる日もあるだろう。


「これ以上進めない」と、絶望する日もあるだろう。


それでも。
打ちのめされても、前へ進んでゆけ。
暗闇の中を見渡しても、何ひとつ見えなくても。


独りきりでも。
独りきり月に照らされた者は、誰よりも生きる強さを手にしているから。


絶望し、打ちのめされて。
誰にも頼らず、ただ、己の力で立ち上がった者だけが手にする事ができる、強さ。


孤独に耐えて、独り嵐の中を潜り抜けた者は、きっと誰よりも強い。


嵐が過ぎ去り。
空を厚く覆っていた雲が去った後。


空を見上げれば、静かに明るくかがやく月。
嵐の時は雲によって姿を消していた月が、今、君を照らしてる。


照らされて佇んでいる君の胸の中には。
生きる強さ、生きる意志が、確かに息づいているはず。


嵐を潜り抜けた者の胸には、必ず「生きる強さ」が刻まれる。


僕たちの胸にも今。
確かに、消えないくらいに刻まれているはずだ。


誰よりも強く。
歴史に飲まれない強さが。

 

Keep on,You got to keep on walking

   求め合い 愛し合い 奪い合い 与え合う

 

求め合って、愛し合う。

奪い合って、与え合う。

 

琢:「"大好きなあなたは1番近くて、それでいて1番遠い人だ"って、これが真実だと思う。

   1番自由を感じさせてくれて、1番孤独を感じさせてくれる人…、
"1番愛情を与えてくれるけど、1番奪うのもあなただ"って」 【グロコミビデオ】



ここまで的確に表現できるのって、すごいと思う。
このグロコミエキスポビデオのたくろうさんの言葉が、すべてを表しているっていうか。


"自由"と"孤独"は紙一重。
いや、紙一重分もないかもしれない。ほとんど同じもの。


愛情を与えてくれるのがあなたなら、奪うのもあなただ。


すごいな。
なんで、こんなに説得力があるんだろう(笑…いドコロか?)。


与えるだけじゃいけない。
育む愛は、与えるだけではいつか枯渇する。


「愛は枯れることを知らない、無尽蔵の湧き水のようだ」だなんて、誰が言った言葉だったか。


そんなの、ただの幻想でしかない。
感情をすべてさらっていくのが"愛"だとしたら。
求め合って、与え合わなきゃ、いつか必ず朽ちてしまうよ。


与えた分と同じだけ、与えられ。
奪った分だけ、根こそぎ奪われる。

 

Keep on,You got to keep on walking

   奪い合い 求め合い 君は何を勝ち取るんだ


Keep on,You got to keep on walking

   愛し合い 憎しみに触れ 朝を待つ心に

 

仮歌詞なのですが。


"勝ち取る"。
"俺"から何かを奪うのが"君"なのか。


愛情の搾取。
愛情をすべて搾り取る。


勝敗?
勝者と敗者?


「一体、これ以上俺から何を奪うんだ…」


この曲がひらめいたのって、朝でしたね。
深い嘆きと、重苦しいため息が聞こえてきそうな。


まだ、『聴く側』をまったく意識してない言葉。
ありのままの、お洒落心もまだ動いてない、そのままの言葉です。


愛し合い、憎しみに触れる。
奪われて、そして与えられる。


愛し合う。


何もかもをさらけ出して。
お互いを憎しみ合ったりもしながら。

 

ひとつになれるなら僕は歌う おまえの笑顔をそっと抱き締めて

 

これも仮歌詞です。


"笑顔"なのか、"寝顔"なのか。
寝顔かもしれませんが、"あなたの存在"というニュアンスで。


あ、"寝顔"かな。
"朝を待つ心に"にかかるなら、"寝顔"かもしれない。


歌うことで、ひとつになれるなら。
"あなた"という存在を抱きしめて。


僕は、歌う。

 

Keep on,You got to keep on walking

   ここからは連れて行けない レクイエムが叫ぶ

 

ここが、長いこと分からなかったです。


誰を連れていけないのか。
レクイエムを叫んでるのは誰なんだろうとか。


過ぎ去った季節へのレクイエム。
「かつて、すれちがって手を振り合った人達」へのレクイエム。


レクイエムとは、魂を鎮める歌…鎮魂歌。
お葬式(ミサ)のときに、魂を天へ送るときに歌われる。


そのレクイエムを歌うのではなくて、叫ぶ。



「あなたの心癒そうと、今日も叫ぶ」 【生きがい】



叫ぶんだよ。


届くまで、叫ぶ。
"1番近くて、1番遠いあなた"へ向かって



HIGHCOMMUNICATIONS TOUR。


本編ラスト。
魂の哭き声のような、テルさんの叫び。


あの叫びが、「レクイエム」だったのかな。


航海。


過ぎ去った季節。
旅路の途中で出逢った人達。


月に照らされて、また船は往く。


光を探して。
海と空の境界の、いつか交わるところまで。


水平線さえ超えた向こう。
"海"と"空"が"ひとつ"になる場所を求めて。




今は、凪、志は同じ。

20031005